長野大学 「第三者委員会の報告書」を不開示

外部への公表

第三者委員会の報告書の開示請求

「地域と大学を考える会」は、長野大学問題の中で生じている疑問を確認するため、上田市情報開示条例に基づいて、本件に関わる複数の公的な文書に対して情報開示を請求しました。

その中には、公立大学法人長野大学 第三者委員会の報告書があります。当初「長野大学の中で発生していた不正が疑われる行為」の調査を公立大学法人長野大学 第三者委員会が行うはずでした。

しかし、実際には、不正自体の調査ではなく、「不正調査の過程や手続きの問題点」の調査となりました。この結果、公立大学法人長野大学 第三者委員会の報告書が、「不正調査を求めた教員ら」の懲戒処分の根拠の一つに用いられました。

つまり、不正調査のための第三者委員会ではなく、事実上「不正調査を求めた教員ら」を逆に懲戒処分するための調査を行う第三者委員会となりました。

この公立大学法人長野大学 第三者委員会の調査の過程には、後述のように不可解な点が多数存在したため、「地域と大学を考える会」は上田市に第三者委員会の報告書の開示を要求しました。

これは、上田市情報開示条例という法的な手続きに基づいた情報開示請求です。

しかし、本会からの「公立大学法人長野大学 第三者委員会の報告書の開示請求」に対して、長野大学からの回答は「不開示」でした。

詳細は後述の長野大学理事長名による不開示通知書をご覧ください。

第三者委員会の調査の疑問点

この長野大学の第三者委員会の報告内容については、様々な疑問点が出されています。まず、第三者委員会という第三者によって行われている調査であるはずが、当事者の長野大学自身が情報の開示や取り扱いを管理して非公開としています。

【主な疑問点】

  • 「公立大学法人で第三者委員会を設置するほどの大きな問題」が生じていながら、この問題は外部には一切公表されていない。
  • しかし、この第三者委員会の報告書を根拠に、大勢の教員が懲戒処分を受けるほどの重大な問題となっている。
  • 特に長野大学の第三者委員会への重要な疑問点は、長野大学の中で生じた不正疑惑自体は調査対象にしておらず、「不正を調査した手続き」に対しての調査に変わってしまっている点
  • 第三者委員会という第三者による調査内容や調査結果(報告書)が非開示になっている点
  • 第三者委員会の報告書が、大勢の教員の懲戒処分の根拠として使われているにも関わらず、その教員に弁明の機会が十分に与えられなかった点

長野大学では、「恣意的」な手続きに基づいて懲戒処分が行われているのではないかという疑念

長野大学問題で議論となっている懲戒処分は公立大学法人長野大学第三者委員会の調査報告書(2021年3 月4日付、ただし不開示)で指摘されたことが懲戒事由とされています。公立大学法人長野大学 第三者委員会で進められた調査は非公開であり、しかも、調査対象となった関係者に十分な弁明の機会が与えられませんでした。

つまり、仮に、第三者委員会の中で、事実誤認や不正確な事実認定に基づく審議がなされていたとしても、審議の対象者は、その審議の状況を知りようが無く、弁明することもできませんでした。

また、審議対象者に反論したり弁明したりする機会が与えられなかったことは人権上、極めて大きな問題です。

これでは長野大学では、懲戒処分の手続きが恣意的に行われているのではないかという疑念が生じても仕方ないのではないでしょうか。

仮に、事実に基づかない調査があったのであれば、その責任は?新たな訴訟問題に発展しないか?

そもそも懲戒処分は、個人の身分や名誉に大きく関わる深刻な問題です。つまり、その人物の人生に深刻な影響を与えるものです。

その調査や審議の過程が不透明であったり、不平等であってはなりません。

しかし、長野大学の第三者委員会で行われた調査状況を見る限りでは適切な手続きが行われていたようには見えません。

この場合、仮に間違った内容で懲戒処分の手続きが行われたとしたら、その手続きを遡って懲戒処分をした側の責任の追及が行われる可能性があると考えられます。その場合、単なる責任追及ではなく、また新たな訴訟問題に発展する可能性も否定できません。

長野大学から出された第三者委員会報告書の「不開示決定通知」

以下、当会から出された開示請求に対する公立大学法人長野大学 平井利博理事長名で出された第三者委員会の「公文書不開示決定通知書」となります。

なお、この通知書には長野大学の担当職員の氏名が記載されていましたが、当会の方で職員の氏名がわからないように職員の氏名の部分のみ墨入れをしています。

今後の対応

現在、当会では長野大学問題を明らかにしていくため、様々な情報開示を要求しており、それに対して長野大学からは不開示も含めていくつかの回答がなされています。しかし、いずれも十分な回答でないため、今後も当会として粘り強く長野大学に訴えかけていきたいと考えています。

なお、第三者委員会の報告書以外にも開示請求を出しており、その回答も長野大学から出されていますので、それらについても、これから一つ一つ本Webページで公表していく予定です。

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