市民から長野大学理事長へ質問状(理事長からの回答も掲載)

6.11イベント

2023年6月11日の「地域と大学を考える in うえだ」を受けて、3つの市民団体から長野大学理事長宛に質問状が出されました。

市民から長野大学への問いとその成果

2023年6月11日のイベントでは、多くの市民が参加し、長野大学で発生している「不正が疑われる問題」や「人権上の問題」、特に「大勢の教員が不当に懲戒処分された問題」などが議論されました。これは長野大学の訴訟問題に関連します。

この問題の深刻さを受けて、本会に加え、「上田市の教育を考える会」、「ピースアクションうえだ」、「長野県退職教員の会上小支部」の皆様からも質問状が出されました。長野大学 平井利博 理事長からは、それぞれの質問状に対して、不完全ながらも回答書が届くようになりました。

当初は、長野大学 平井利博 理事長名で「法的な手段に発展する可能性がございます」との文書を出すなど、長野大学は強気な姿勢でしたが、市民団体からの粘り強い問いかけに対して、大学側も徐々に回答を出してくるようになりました。このことは市民活動の大きな成果と言えます。

「不正が疑われる不明朗なお金の流れ」の問題が徐々に明らかに

市民団体の皆様からも、長野大学という公的な組織で発生している「不正が疑われる不明朗なお金の流れ」について、疑問が出されています。

「不正が疑われる不明朗なお金の流れ」については、7月14日付の「地域と大学を考える会」への平井理事長回答によれば、「民事上の賠償責任を果たし」との記載があるとおり、深刻な会計上の問題があったこと自体はわかりましたが、それ以上の情報が公開されていません。

今回の長野大学 平井利博 理事長からの回答からも、不明朗なお金の流れに関して、不正の追及により責任を問われ、懲戒処分されたり、退職したりした者がいることも明らかになりました。

市民の力で、ここまでは明らかになりましたが、まだ詳細は不明なままですので、今後も平井理事長には詳細な説明を求めていく必要があります。

第三者委員会の設置と問題の深刻さ

今回の長野大学理事長の回答の中で興味深かった点は、長野大学の不正疑惑に関して「第三者委員会」が設置されていることが明らかにされた点です。特に2名の弁護士が参加している第三者委員会が設置されたことから考えて、長野大学の中では極めて大きな問題(多額の金銭が行方不明になるなど)があったことがわかります。

第三者委員会への疑問点

  • 公立大学法人で、第三者委員会が設置されるほどの大きな問題が発生しているのに、なぜ問題が全く公表されていないのか。
  • 第三者委員会の調査結果を受けて、多数の教員が懲戒処分を受けている。しかし、その根拠となった第三者委員会の調査結果だけでなく、そもそも「目的」、「議論の経過」も全く明らかにされておらず、ブラックボックスとなっているのはなぜか。
  • 第三者委員会の調査結果を受けて、現在、社会的に大きな問題となっているのは、「不正調査の過程や手続き」の方であって、「不正自体」に対してではない。「不正自体に焦点があたっていない理由」は何か。
  • 第三者委員会で調査が行われたにも関わらず、その調査結果に基づく懲戒処分は「労基法違反」が指摘された。そして、後に2度にわたり平井理事長名で訂正・撤回されている。なぜ弁護士が2名も関わっていながら、多数の教員に対して「違法な懲戒処分が行われた」のか(後述)。

以上の疑問点に対して、第三者委員会の動きにも疑問点が生じています。今後の長野大学からの回答が注目されます。

長野大学の労基法違反と理事会の責任

今回の2022年12月9日の提訴から始まった「長野大学訴訟問題」で最初に指摘され争点となったのは、信じられないことに長野大学側の「労働基準法違反」でした。

労基法違反の指摘を受けたことに対して、長野大学は労基法違反を認め、平井理事長名で、4名の教員の懲戒処分の減給について、訂正・撤回をしています。

第三者委員会には2名の弁護士が参加していました。そして、懲戒処分を審議した「賞罰審査委員会」にも1名の弁護士が加わっています。さらに、長野大学の理事会には専門家として法務担当理事がいて法的な問題に対応しています。

つまり、今回の長野大学で発生した「多数の教員の懲戒処分」には、合計4名の弁護士が関わっているにも関わらず、「労働基準法違反」による懲戒処分という違法行為が発生しました。

しかも、労基法違反は、「刑事罰」が課せされる重大な違法行為でもあります。

長野大学の理事会は、複数の市民団体から、この労基法違反への見解を問われていますが、一切の回答をしていません。

長野大学内で起こっている人権侵害が疑われる問題

6月11日のイベントでは、長野大学の中で教職員の人権侵害が疑われることが発生していると指摘されています。

  • いつどういった理由で懲戒処分されるのかわからないので、自由に発言できない。
  • 規程が恣意的に運用されており、いつ自分の行動がルール違反になるのかわからない。
  • 懲戒審査における不十分な弁明の機会が指摘された。特に衝撃的だったのは、口頭による弁明の機会のとき「部屋に入るなり、所持品検査をされ、『ポケットの中も含めて携行品を全て机の上に出せ』と指示が出され、それを断ると、一方的に弁明の機会が奪われた」という証言である。

ピースアクションうえだ:公開質問状と長野大学理事長回答

公開質問状

長野大学 平井利博 理事長からの回答

上田市の教育を考える会:公開質問状

公開質問状

理事長からの回答は、「ピースアクションうえだ」と同じなので省略

長野県退職教員の会上小支部:質問状と長野大学理事長回答

公開質問状

長野大学 平井利博 理事長からの回答

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