長野大学の訴訟問題における裁判の勝敗ライン
原告らが懲戒処分を受けた理由の一つとして、「副学長の研究不正を調査するよう強く働きかけたこと」が挙げられています。これが違法な懲戒理由であるかどうかが、裁判の大きな争点、つまり勝敗ラインになると考えられます。
被告である長野大学も、ここを最も強く主張しており、裁判の行方を左右する重要なポイントとなっています。
なぜ、この勝敗ラインが重要なのか?
1.複数教員の懲戒処分取り消しにつながる可能性
長野大学は「副学長の研究不正を調査するよう強く働きかけた」という理由で、4名の教員を懲戒処分しました。もしこの処分理由が違法と判断されれば、原告だけでなく、同様の理由で懲戒を受けた4名全員が違法処分とみなされ、処分取り消しが不可避になります。
2.原告らの不正調査の正当性が証明される可能性
今回の懲戒処分の特徴は、「不正を調べるべきだと訴える行為」が問題視され、多くの教員が処分された点です。もし裁判でこの処分が取り消されれば、「不正行為の調査を求める行為自体が不適切だ」という長野大学の主張は覆ることになります。
その結果、訴訟問題の発端である学内の会計上の不正が再び注目され、改めて学内の不正調査の必要性が浮上する可能性があります。
被告の主張とその困難
被告である長野大学は、「副学長の研究不正を調査するよう強く働きかけた行為は懲戒に値する」と主張しています。
しかし、社会常識から考えて「不正を調べるべきだと訴える行為」が懲戒処分になりうるのか疑問が多いため、被告である長野大学がこの主張を維持するには困難があると、原告らはみています。
今後の判決でどのように判断されるかが注目されます。そして、この裁判は長野大学における懲戒処分の在り方や不正への対応姿勢を問う重要な事例となるでしょう。